夢の実現
私たちの日常生活のなかで今最も重要な事柄とされているのは何でしょうか?当然、衣食住及びそれらにかかる生活必需品は重要なものとして欠くことはできませんが、個人においても企業においてもそれらの「物」についての「情報」はそれ以上に必要不可欠とされるようになりました。工場での大量生産においていかに売れるものを作るかのマネジリアル・マーケティングから、いかに上手く流通させるかのサプライチェーン・マネージメントまで「物」を制するのは「情報」です。さらにその情報を使用しても、個人も企業も各自個別に対応していたのでは勝ち残れないとの自覚のもとに他企業との共働によるオープンソリューションで乗り切ろうとしています。今まで企業は垂直に統合され、それぞれの企業間はほとんど物的結合で成り立っていましたが、今日、各企業においては、その仕入れ先や顧客との結び付きが目に見えない精神的結合として実在し、そして、機能するようになってきました。また、これからの産業界では、物的資産としての物やサービス自体の価値の提供とともに、それにも増して精神的価値としての知的無形資産を提供することの重要性が高まってきています。そこでさらに、これら知的財産権としても保護されない無形の知的資産をも含むインタンジブルズ(無形資産)の法的、経済的位置づけを行い、産業財としての知的資産構成による知的資本を蓄積するために、創作的に知的資産を構成してコンテンツの流通を図り、新たな富としての経済的価値体系を創造することにより未来への遺産を構築してまいります。
今や、伝統的な無形資産のほかに、知的資産、人的資産・情報資産・組織資産といった企業価値の創造に大きな貢献を果たす無形資産の存在が無視できなくなりました。この目に見えない資産がインタンジブルズです。インタンジブルズとは、財の生産やサービスの提供に貢献する非物質的資産であり、それを利用する個人又は企業に対して将来の経済的便益を生み出すと期待される無形資産のことを言います。「ノウハウ・スキル」はもとより、「のれん」や「ブランド」もインタンジブルズに含まれます。
近年では企業存続、事業継承の有効な手段としてのM&Aに伴うインタンジブルズの評価も重要な企業価値評価項目の一つとされています。単に売上高や利益率を判断材料にするだけでなく、いかにクリエイティブな発想で仕事をしてきたか、そして未来に向けて発展する要素がどれくらいあるかに目が向けられます。すなわち、M&Aを通じて獲得されたインタンジブルズを企業価値に結びつけるにあたり、理念、ビジョンの浸透、ビジネスモデルや戦略、経営目標、経営計画達成に係る実行力がM&Aで重要な役割を果たします。
企業の買収において、支払った金額と買収先の純資産の差額を“のれん代”としている場合があります。この場合の買収では、ブランド力や技術力など目に見えないものも考慮して、純資産を上回る値段で買うこととなります。即ち、各企業が持つブランド、ノウハウ、顧客との関係、従業員の能力等の無形固定資産を評価するのです。つまり、買収金額から買収される企業の純資産をマイナスしたものをのれん代とするのです。無形固定資産は企業の長い期間の地道な活動の積み上げによって作られるものです。従って、のれん代を支払う意義は、無形固定資産を作るための時間を買うことにもなります。
のれんの本質的な性格について、次のような記述があります。
“のれんの本質的性格に焦点をあてた考えかたとしては、超過収益力説や識別不能無形資産説などがある。超過収益力説とは、同業他社を上回る収益を獲得する能力である超過収益力をのれんの本質とする考えかたで、識別不能無形資産説とは広い意味で無形資産ではあるものの、貸借対照表上、個別には無形固定資産として計上するための要件を満たさないような資産をのれんの本質する考えかたである。(「『のれん』の会計実務」中央経済社 p4)”
物的資産や知的資産への膨大な投資ができない小規模企業においても、インタンジブルズという無形資産を有効に活用することによる新たな戦略展開が可能です。そのために、人々の知恵としてのノウハウ等のインタンジブルズを含むコンテンツを蓄積・流通させるためのインタンジブルアセットアーカイブをベースとしたノウハウライブラリーを企画・展開いたします。
具体的展開としては既存のシステムやツールも十分に活用するとともに、新しい観点からのインタンジブルズ共有による知的資本形成に挑戦したいと思います。
デジタルアーカイブ時代にいたってもなおハイブリッドに展開する知を保存し、利用に供することを使命とするためには、ライブラリーの活動もテクノロジー環境の変容とともに再定義されなければなりません。利用方法、活用方法、システム構成等についても既存の概念にとらわれることのないように自由で大胆な考えかたをしていきたいと思います。
尚、ライブラリーとして開かれた情報交換の場とするとともにパブリックドメインとなりえないものについてはクリエイティブコモンズの考え方も導入する余地があります。クリエイティブコモンズとは、著作物の適正な再利用の促進を目的として著作者が自らの著作物の再利用を許可するという意思表示を行えるようにするためのライセンスを策定し普及を図る国際的非営利団体のことを言います。
ノウハウライブラリーでは、こういったあらゆる手段を視野に入れて、ノウハウ・スキル等コンテンツの蓄積・流通を通してインタンジブルズを生かした知的資産を構成し、知的資本の構築をしていくことを目的とします。かってはすべてデータといわれていたものがコンピュータプログラムとの区別を明確にするためにコンテンツという概念を用いるようになっているのですが、ノウハウライブラリーでは主としてこの概念範囲でのコンテンツを扱います。
ここで、コンテンツについてはいろいろな解説がありますが、比較的分かりやすいのに以下のようなものがあります。
‘’以前コンピューターがでてきたとき、ハードウェアに対してそれを動かすソフトウェアが大事だといわれた。この場合のソフトウェアは物ではなく情報であるが、それ自身が欲求の対象になるというよりもハードを動かす道具であった。コンテンツはもちろんこのソフトに分類されるが、それ自身が人々を感動させ、喜ばせるような内容を持ったものを区別するため「コンテンツ」という呼び名が定着してきたと考えられる。(「コンテンツビジネスが地域を変える」長谷川文雄他著 NTT出版株式会社発行 p2) ‘’
すなわち、コンテンツとは情報の中身を言い、コンピューターソフトウェアにおいてはコンピュータープログラムによりメディアという手段で蓄積・伝達される対象をいうことになります。従って、ハードあってのソフトですので、あらゆる情報媒体によって蓄積・伝達されるデータ等の対象をいうことになります。ノウハウライブラリーではインタンジブルズとしての知的無形資産をコンテンツとして蓄積・流通させ、知的資本を構築することを目的とします。
有用な無形資産としてのコンテンツをインタンジブルズと言うこととする。したがって、インタンジブルズとしてのノウハウは活用して次世代への遺産としての知的資本を構成し、その投下によりさらに優れたノウハウを再生産することによって「ゆたかな社会」をを構築するコンテンツとして有効となる。まさに、「ゆたかな社会」にもとずく、「ゆたかな生活」という夢の実現が見えるようになるのである。ここで、「ゆたか」と言うのは決して金銭等 の財物についてではありません。精神的現象についても考慮の対象とするのです。
自分の夢やビジョンに賛同する人々がリスクをとった挑戦ができるようになれば企業等の組織ではできない新しいイノベーションがおこってくるはずです。自分の夢を叶えたい者と他人の夢を応援したい者の夢が皆の共有財産となるドリームシェアリングにより「ゆたかな社会」は実現するのです。

