知的無形資産をオンバランスと評価するかオフバランスと評価するかについてM&Aに際しての会計処理での「のれん」例があります。その場合、例えば、吸収される側の資産の合計額と吸収する側の評価額との差額を「のれん」とする場合です。吸収される側の財務諸表上ではオフバランスだった知的無形資産等が吸収する側では「のれん代」として計上されるのですからオンバランス勘定となります。
この場合、のれんの本質的な性格を超過収益力と理解することが出来ます。
超過収益力とは企業が経営を継続していく過程において蓄積された他の企業にない優位的な潜在的企業価値のことになります。
超過収益力の一形態をのれんとして考えても良いと思われます。
以上により、超過収益力を評価されてオンバランスとなった「のれん」のなかにはオフバランスだった無形資産が含まれていることになります。そしてさらにそのなかには知的無形資産も含まれ得ます。しかし、どの無形資産及び知的無形資産が含まれることになりうるかはわかりません。したがって、結果として「のれん」となりうる評価前の無形資産等は識別不能無形資産といえます。
この識別不能無形資産は超過収益力をもたらす主要な源泉となり得ます。したがって、のれんには識別不能無形資産としてノウハウ等知的無形資産が含まれるということができます。知的財産権は無形固定資産としてバランスシート上のオンバランス勘定ですが、知的財産権以外の識別不能無形資産もオンバランス勘定として計上されることになりうることが分かります。知的無形資産の知的財産権以外の識別不能無形資産はオンバランスとなるものとならないものの双方を含むことになりますが、結果として「のれん代」勘定に含まれたかどうかによって決まることになります。。
このことはノウハウ等知的無形資産が資産として会計上の評価の対象外となるので価値媒体との比較評価をいかにすべきかが問題となります。
しかし、前にオフバランスであるはずのノウハウ等同士の結合でオンバランスとなるべき特許等を受ける権利が生ずることがあり得ること、その結果として特許等の知的財産権をオンバランス勘定として取得しうることを申し上げましたが、それらをを考え合わせてもオフバランスたる無形資産がオンバランスとなり得ると考えることができます。
したがって、M&Aでの「のれん」の例も、購入資産としての評価に内在する価値媒体として総合的に評価できるものだと思います。